岡山県

西粟倉村

にしあわくらそん

“Uターン“をテーマにした特集記事「ただいま西粟倉」が始まります。

岡山県北東端にあり “ローカルベンチャーの村”とも表される、岡山県西粟倉村。

1999(平成11)年から日本全国で巻き起こった市町村合併、いわゆる“平成の大合併”の中、 2004(平成16)年当時人口約1,700人の西粟倉村は、この地域を諦めないという意思のもと合併を拒み「西粟倉村」として歩み続けることを決めました。

この地域を諦めないために選んだ手段は、村外から人を呼び込むこと。

住んでいる人たちだけでこの村を維持するということではなく、起業と雇用を促しながら移住者=Iターン者を増やすことで村の持続を目指してきました。

その結果、村の現在人口は自然減がありながらもIターン者が増え、1,342人(2024(令和6)年10月1日現在)となっています。
2013(平成25)年に国立社会保障・人口問題研究所(社人研)が公表した推計では2025(令和7)年には人口1,271人という予測と比べても上振れすることが見込まれています。
また現在の人口のうち、2004年以降のIターン者は約220人と1.5割ほどとなっています (エーゼログループ調べ※)。

国立社会保障・人口問題研究所(社人研)が公表した推計(2013(平成25)年)と実際の推移

一方で実は今、村に生まれ育った人たちが村に帰る=Uターンも増えつつあります。
2004年以降のUターン者は50名を超え、その家族を合わせると約110人(エーゼログループ調べ※)。

他地域でもそうであるように、西粟倉村の村民にとっても出身者が帰ってくることは「村の子が帰ってきた」と嬉しくなる出来事です。
「人生の選択としてUターンするべき」、「Uターンすることが正解だ」と主張したいわけではありませんが、Uターンにはその地域の人口数が“1人増える”だけではない力があるように感じます。

本特集では「Uターン」をテーマに、Uターンした人、Uターンしたい人、Uターンできなくても村を想う人、Uターンを待ち望む人たちにその想いと選択、それぞれの目に映る西粟倉村を聴いていきます。

移住起業促進に力を入れた10年、ローカルベンチャーの村と呼ばれるまでになった西粟倉村で今何が起きているかを「Uターン」を切り口に辿りながら、これからどんな村として歩むのかを読者の皆さんと一緒に見つめてみたいと思います。

 

「ただいま 西粟倉」特集 一覧

プロローグ “Uターン“をテーマにした特集記事「ただいま西粟倉」が始まります。

Vol.01  「おかえり!」。子どもの頃から知る“あの子たち”のUターン。西粟倉村の子どもの探検クラブの仕掛け人が、帰村した二人と語り合いました。

 


※エーゼログループ調べ
調査方法:西粟倉村民ヒアリングをもとに計測
調査内容:以下の通り調査対象を定めヒアリングをもとに計測した
①Iターン者:幼少期、青年期に8年以上西粟倉村に住んでおらず、合併を拒んだ2004年以降に就職、転職等の理由で村に転居した者。
②Uターン者:幼少期、青年期に8年以上村に住み、進学や就職等を理由に1年以上村外に転居したうえで、合併を拒んだ2004年以降に就職や転職等の理由で村に帰り在住している者。

(注釈)西粟倉村には高校が無い為多くの子どもたちは15年間村で暮らす。その期間のうち半分以上の8年間暮らすことで村への愛着が生まれると考え、UIターンの定義に示した「幼少期、青年期に8年以上西粟倉村に住み/住んでおらず」とした。
調査年月日:2024年10月

参考資料:
「第6次⻄粟倉村総合振興計画」西粟倉村発行(2023(令和3)年6月発行)
「国税調査・西粟倉村の人口推移と将来推計」国立社会保障・人口問題研究所(社人研)発行(2013(平成25)年))