主体的なチャレンジを連鎖させて地域の未来を創発する。地域創発研究所からの自治体への3つの提案

地域の未来は、自分たちで切り拓ける。
そんな信念のもと、エーゼログループはこの春に「地域創発研究所」を立ち上げました。所長に就任する松﨑光弘は、理論と現場を往復しながら、地域社会と人材育成に挑み続けてきた地域創発の実践者です。

本研究所では、

  1. 地域おこし協力体制度の創造的運用を目指そう!チャレンジプロデュースのための地域おこし協力隊制度の活用支援
  2. コンサル丸投げから脱却しよう!自治体主導の計画策定のための職員研修
  3. 挑戦したい首長こそまずチームづくりを!首長と役場職員が一緒に前のめりになるための研修

など、地域の一人ひとりが主体的に取り組むための仕組みや関係構築に寄り添ったサービスを提案いたします。
また、総務省「地域力創造アドバイザー制度」を活用することで、自治体の財政負担を軽減しつつ、柔軟な支援の導入が可能です。
地域の未来を本気で変えたい自治体の皆様に、ぜひ一度ご覧いただきたい取り組みです。

本記事ではエーゼログループ代表の牧大介と、地域創発研究所所長の松﨑光弘へインタビューを通して地域創発研究所と主軸の3つのサービスについてお伝えします。

 

 

地域創発研究所とは、所長の松﨑光弘とは

―代表の牧さんから松﨑さんについて紹介いただけますでしょうか。

牧:松﨑さんは、地域創発の実践者であり、研究者としても長年、地域づくり・人材育成に取り組んできました。神戸大学大学院自然科学研究科博士課程を修了後は、大学教授として教育・研究活動に携わってこられました。特に、地域社会との連携をテーマに、文部科学省「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業(COC+)」や内閣府「地域社会雇用創造事業」など、国の主要施策にも数多く関わってこられています。
研究だけではなく例えば、大阪府立青少年会館の再生にも取り組まれ、官民が連携するかたちで、若者の社会参加を後押しするモデルをつくりあげました。
現場と理論の双方を深く理解し、政策・制度設計から現場実装までを一貫してリードできる稀有な存在です。
また、東北・九州・中山間地域でのローカルベンチャー支援や、地域起業家の育成に数多く携わり、多様な地域での自立と創発を後押ししてきました。
地域社会の複雑な課題に対し、伴走型で向き合う姿勢は多方面から高く評価されています。
2022年からは弊社に参画いただき、この2025年4月に立ち上げた「地域創発研究所」の所長に就任いただきました。理論と実践をつなぎながら、地域の未来を切り拓く挑戦を続けていただいてます。

松﨑:私は、地域というのは単なる地理的な単位ではなく、多様な人や価値観、文化が重なり合っている“複雑なシステム”だと思っています。そして、そこに眠っている可能性とは、外の人が何かを持ち込んで変えるのではなく、地域外からの刺激をうまく生かして地域の中の人の考えや動き、さらにはつながり方を変えながら自然と変化していく「自己組織化」と「創発」の中にあるんです。地域創発研究所は、そうした変化を引き出す後押しができる場だと捉えています。

エーゼログループはこれまでも、各地の現場で多くの挑戦を積み重ねてきました。その蓄積された知見やネットワークを、今まさに課題と向き合っている地域に届けたいという想いが、この研究所にはあります。

私自身は、大学での研究や教育の場と、地域の現場を行き来してきた経験がありますが、この研究所ではそれをフルに活かせると感じています。理論と実践を行き来しながら、地域の方々と対話を重ね、ともに課題を見つけ、解決策を模索する。場合によっては、地域おこし協力隊の育成や、ローカルベンチャーを起業する人たちの支援にも関わります。
こうした一連の取り組みが、地域の持つ自律的な力を引き出し、持続可能な未来につながっていく。私はこの研究所を、そうした創発のプロセスを支える“知の触媒”のような存在にしていきたいと思っています。

地域創発研究所 所長 松﨑光弘

牧:これまで、ありがたいことに様々な地域からエーゼログループに「来てほしい」という声をいただきながらも、なかなかお応えできない状況が続いていました。
理由は大きく2つあります。

1つ目は、体制的な限界です。
これについては、地域創発研究所の所長・松﨑さんが加わってくれたことで大きく前進しました。

私自身「地域という複雑系」にどう向き合うか悪戦苦闘し続けてきました。学生時代から数えると30年以上試行錯誤を重ねてきたこともあり、簡単に誰かに任せることができなかったのです。
しかし、松﨑さんを中心とするチームであれば、これまでエーゼロが培ってきたものを活かしながら、さらに地域の未来を切り拓いていけると確信しています。
私自身は直感的・感覚的に動くタイプですが、松﨑さんは非常に論理的に本質を掘り下げながら、複雑な現場調整も着実に進めていく力を持っています。今や、私以上に「地域の未来を開拓する」仕事を力強く担ってくれています。

2つ目は、現地にスタッフを置き、長期戦を前提とした取り組みにこだわっていたことです。
この点についても、松﨑さんが総務省「地域力創造アドバイザー」に登録されたことで、新たな道が開けました。
いきなり長期的な関係を結ぶのは難しい場合でも、「地域力創造アドバイザー」制度を活用すれば、自治体にとって財政負担ゼロまたはごく軽微な形で、単年から最大3年間のコンサルティングや研修を実施することができます。
つまり、まずはアドバイザーとして松﨑さんを試していただき、その後、必要に応じて長期的な連携を考えていくことができるようになったのです。

もちろん、どんなご相談にもお応えできることはないと思います。本気で地域と向き合い、共に未来をつくりたいという相互の思いが前提です。

エーゼログループ 代表 牧大介

地域創造力アドバイザー制度とは

―牧さんのお話にあった、松﨑さんが「地域力創造力アドバイザー」に登録されたことは地域創発研究所の創設に大きな後押しだったのだと思います。改めて制度の紹介をさせていただきます。

地域力創造力アドバイザー制度
総務省が実施する事業で、地域活性化や地方創生に向けた取り組みを支援するため、民間などから専門的な知識と経験を持つ人材(アドバイザー)を地方公共団体に派遣する制度です。

派遣対象:①三大都市圏外の市町村、②三大都市圏内で条件不利地域を有する市町村、定住自立圏に取り組む市町村、または人口減少率が高い市町村です。

アドバイザー:地域課題に応じて戦略策定、事業推進、人材育成など幅広い支援を行い、自治体の自律的な成長を後押しします。

財政措置:市町村外在住の外部専門家を年度内に延べ10日以上または5回以上招へいし、地域独自の魅力や価値を向上させる取組を実施した場合、市町村に対して特別交付税措置が講じられます。

支援額:1市町村あたり、民間専門家活用で590万円/年(2025年度から上限引き上げ)、先進自治体職員(組織)活用で240万円/年が上限となり、最大3年間の措置が受けられます。

詳細:地域力創造アドバイザー制度について

 

地域創発研究所のサービス内容とは

―地域力創造アドバイザー制度を使うとしても、地域創発研究所では具体的にどのようなサービスメニューがあるのでしょうか。

松﨑:大きく3つのテーマを持ったサービスを考えています。

1つ目は「協力隊制度の創造的運用を目指そう!チャレンジプロデュースのための地域おこし協力隊制度の活用支援」です。

※ 地域おこし協力隊とは
都市地域から人口減少や高齢化が進む地方へ移住し、地域活動に従事する取り組みです。任期は概ね1~3年で、隊員1人当たり最大480万円/年(報償費・活動経費含む)の財政支援があり、地域独自の課題解決と人材確保を図る制度です。

地域に新たな風を吹き込む存在として、全国各地で広がりを見せていて、活用方法は各自治体独自の運用も出てきています。
この制度は、「地域外から来た人が何かしてくれる制度」と捉えるのではなく、「外から来る人を育てることができる、応援力のある地域になろう」ということを目指す必要があると考えています。

そのために協力隊を募集するまでの自治体内の議論や、地域の方々との協議が重要です。
この議論に、事例もお伝えしながら関わらせていただき、実践しながら協力隊の人たちが成果を残せる、人口も増える、人を育てる地域になることをお手伝いできればと思っています。

牧:これは松﨑さんも深く関わられていた「チャレンジ・コミュニティ・プロジェクト(通称:「チャレコミ」、事務局:NPO法人ETIC.)が取り組んだ「長期実践型インターンシップ※2」のプロジェクト設計と非常に似た考え方ですね。

※2 長期実践型インターンシップとは
NPO法人ETIC.が1997年から取り組んできた、「挑戦する若者」と「革新的な中小企業・NPO」を結びつける長期実践型のインターンシッププログラム。

松﨑:ほぼ一緒ですね。
長期実践型インターンシップでは、受け入れ事業者の挑戦に学生たちが自分の挑戦を重ねて、3ヶ月や半年、もしくは休学して1年間取り組みます。

このインターンシップがいかにして事業成果を生み、学生たちの成長に繋がるかを受け入れ事業者が真剣に考えプロジェクト設計を行うのは、自治体の担当者の方が地域おこし協力隊の方々が取り組む事業やテーマを考えることと同じ作業です。

仮に全6回の研修をするとしたらのイメージもお伝えします。

(オンライン無料相談・ブレスト)

 地域おこし協力隊をどう生かすか

 地域の事業の種の調査①②

 プロジェクト設計①②

 募集要項の作成

 

より「地域の起業を生み出す」ことに注力するなら、岡山県西粟倉村や北海道厚真町、鹿児島県錦江町で取り組んできたローカルベンチャースクール(以下「LVS」)の企画運営を担ってきたエーゼロの実績も交えながら、その地域にあったLVSについて検討することもできます。

(オンライン無料相談・ブレスト)

 事業シーズの調査①②

 その地域発のLVS導入の設計①②③

 役場の中でLVSに来る人たちのサポートに関する講義①


また、地域力創造アドバイザー制度をフル活用し、最大3年間取り組むことができれば、1年目には研修を通じたLVSの設計、2年目にLVS開催、3年目にブラッシュアップしながらLVS開催も可能だろうと考えています。(
地域力創造アドバイザー制度を活用してのLVSの開催の場合は、エーゼログループはあくまでもアドバイザーとしての役割となります。企画運営は別途ご相談が必要です。)

 

▼サービス概要資料
※本資料も含めて記事内の資料は文末にてダウンロードできます。ご自由にダウンロードしてご活用ください

 

2つ目はコンサル丸投げから脱却しよう!自治体主導の計画策定のための職員研修です。

これまでコンサルタントに全て任せていた計画策定を自治体内で行えるようにする、結果自治体内の人材育成にも繋げていく目的の研修事業です。
このプログラムは、総合計画や地域戦略などの策定を「庁内主導で、職員が学びながら実行できる状態」に転換するための支援です。これまで多くの自治体で「コンサルに委託して終わり」「住民参加が形骸化」といった課題が見られてきましたが、本プログラムでは計画策定そのものを自治体の“内発的成長の装置”として再設計します。

 

▼サービス概要資料

※本資料も含めて記事内の資料は文末にてダウンロードできます。ご自由にダウンロードしてご活用ください

 

3つ目は挑戦したい首長こそまずチームづくりを!首長と役場職員が一緒に前のめりになるための研修」です。

大胆な改革を進めていきたい自治体の中には、首長の思考や行動に役場職員の方々がついていけない事態が起きることもしばしばあると感じています。

首長も職員の方々もストレスは大きくなり、悪循環に陥ることもあるのではないでしょうか。

トップにやらされる役場職員になっていくのではなくて、トップの意思も踏まえて職員の方々が自発的に取り組んでいける状況にするにはどうすればいいのか。

そこに研修を通じて役場の人、チームづくりを支援していきたいと考えています。

 

▼サービス概要資料

※本資料も含めて記事内の資料は文末にてダウンロードできます。ご自由にダウンロードしてご活用ください

 

―地域創発研究所のコンセプトは何があるのでしょうか。

松﨑:「誰もが主役になれる地域社会をどう実現するか」だと思っています。
地域内の関係性をアップデートしていくために「自分発」を大切にしています。
自分のまちの未来は自分たちで創ることができます。そして、自分たちで創ろうと決めることができればその人たちがいる地域は、人を育てていくことのできる地域になるはずです。
結果として誰もが主役になれる地域社会になるために、まずその地域の中心にいる役場の方々が自分自身の「自分発」に気づき、声に出し主体的になっていくことを目指します。
自分たちで自分たちが目指す未来のために変わり続ける力を持つこと、そのメカニズムをインストールしたいです。

牧:僕はやっぱりエーゼログループでやってきたことをもっと多くの地域に広げてほしいという思いがあります。何とか広げたと思いながらできなかったけれど、ようやくできる。これは一番大きいところです。
数地域の個別個別のケースだけだと見えてくるのは「特殊解」でしかなくて、なかなか応用が効かないんだけれども多くの地域に展開していくことで、特殊解を生み出していくためのプロセスとか、そこに関わる論理についての「一般解」が見えてくるだろうと思っています。その一般解をしっかり見つけ出して磨いていくことが松﨑さんなら、地域創発研究所ならできると考えています。とても楽しみですね。

 

お問い合わせ、資料ダウンロード

―関心を持たれた方はどのような問い合わせ方法があるでしょうか。

松﨑:まず気軽にメールで問い合わせ( rile@a-zero.co.jp )いただけるとありがたいです。メールの次にはオンラインでの無料相談を実施しながら、相互理解を進められたらと考えております。

 

―ありがとうございました。気になる自治体の皆様は是非一度お問い合わせください。
また、資料は以下よりダウンロードできますのでご自由にご活用ください。

【資料】地域創発研究所_1「協力体制度の創造的運用を目指そう!チャレンジプロデュースのための地域おこし協力隊制度※の活用支援」+研究所概要

【資料】地域創発研究所_2「コンサル丸投げから脱却しよう!自治体主導の計画策定のための職員研修」+研究所概要

【資料】地域創発研究所_3「挑戦したい首長こそまずチームづくりを!首長と役場職員が一緒に前のめりになるための研修」+研究所概要

【資料】地域創発研究所_研究所概要+サービス内容1~3

 

 


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