岡山県

西粟倉

にしあわくら

【求人募集】人がチャレンジし生き生きと輝くのを支援する。そして日本の地域をおもしろくする。『エーゼロ』が新規スタッフを3名募集!

岡山県西粟倉村を拠点に活動している、『エーゼロ』。そのローカルインキュベーションチーム(元・ローカルベンチャー事業部。以下、LIチーム)が、2022年4月からローカルインキュベーション事業部になり、業務を拡大するに伴い、新しいスタッフを3名募集します。

『エーゼロ』の代表取締役・牧大介さんと、4月から同事業部の事業部長に就任する松崎光弘さんに、構想や募集にまつわるお話をお聞きしました。

LIチームのメンバーである大井健史さん、大谷夏子さん、高橋江利佳さんにも、地域で働くことの魅力についてコメントをもらいました。

 

想像を超えるものが生まれる楽しみ

— LIチームは、これまでどのような事業をしてきたのでしょうか。

牧:起業家支援プログラム「ローカルベンチャースクール」の運営や、村内の事業者のサポート、役場職員が自ら村内で企画を立ち上げる「プロデューサー型公務員プログラム」です。「ローカルベンチャースクール」は現在、集大成として「TAKIBIプログラム」に形を変えて運営しています。 

2021年冬に開催した、TAKIBIプログラムのワークショップの様子。村の中にある願いから、1億円以上のビジネスを複数創出することを目指しています

これらの事業にマネジメントやコーディネートの専門家として関わっていた松崎光弘さん(株式会社知識創発研究所代表取締役)が、事業部長に就任することになりました。松崎さんとは15年ほど前に『NPO法人ETIC.』さんの「チャレンジ・コミュニティ・プロジェクト」で出会ったんですよね。

松崎:えぇ。私は若い頃は地球物理の研究者をしていましたが、公立施設の館長を経て起業し、コンサルティングやコーディネートの仕事を始めました。『エーゼロ』とはここ5年ほど、複数のプロジェクトでお手伝いさせていただきました。

最初に関わったのは「プロデューサー型公務員プログラム」です。どれもおもしろくて、想像を超えるものが生まれていくのが楽しみで参加してきました。それで「牧さんの頭のなかにある構想って、今外にどれくらい出ているんだろう?」と思いまして(笑)、それをとにかく外に出して、もっと実現できれば世の中がおもしろくなると考えていたんです。だからお声がけいただいて、二つ返事でお引き受けしました。

西粟倉村役場の職員の皆さん向けに実施した、プロデューサー型公務員プログラムの様子。役場職員から、数々のプロジェクトが立ち上がりました

牧:ありがとうございます。僕と松崎さんはお互いに研究者だったからか、システムの捉え方が似ていて共通言語も多いので、心強いです。

 

他地域にもこの仕事を広げていきたい

— 今回のスタッフ募集について、どのような業務なのか教えてください。

牧:仕事は、プログラムの企画運営のほか、インターン・プロボノなどの人材をマッチングしてコーディネートします。言わば、人が育っていく状況を整えていく仕事ですね。

地域づくりの主要プレイヤーとして僕たちがいるわけではなく、立ち位置は黒子なんですよね。一つひとつのチャレンジのコーディネートは、点を打っていく作業で、そのチャレンジが線となり面となり、地域の未来をつくっていきます。そのプロセスに裏方として関わっていく形です。

細かな内容はその人の適性によって決めていきたいと思っています。例えば、編集や記事の作成で力を発揮できる人、情報収集が得意な人、ワークショップなどの場づくりが好きな人、いろいろな個性やスキルがあるでしょうから。得意技はなんでもいいです。

松崎:最初にやっていただく仕事は、『エーゼロ』がしてきたことの言語化です。まずは、人に発信できる状態にする作業。コーディネーターの実務経験はなくても構いません。スキルはやりながら磨けばいいことで、コーディネーターの仕事は座学や地域の人との関わりのなかで学んでいただこうと思っています。我々が持っていないようなスキルをお持ちの方も大歓迎。最短で2022年4月からの入社です。

 

— ローカルインキュベーション事業部になることで、これまでと違う仕事は生まれますか。

牧:はい、西粟倉村でこれまでやってきたことを進化させていくなかで、他地域にもこの仕事を広げていきたいと考えています。今回の募集は、その体制をつくるためなんです。

西粟倉村は社会実験の試みがしやすいところで、さまざまな経験を積ませていただきました。その経験は他地域できっとお役に立てると思います。西粟倉村だけがおもしろくなればいいと考えているのではありませんし、他地域にもいい影響を与えていけるのであれば、ぜひ挑戦させていただきたいなと。日本の地域がおもしろくなっていけばいいなと思っています。

 

— そうなると新しいスタッフの方の拠点はどこになりますか?

牧:基本的に西粟倉村に住んでいただくことを想定しています。他地域に入り込みたいという強いご希望があれば、居場所を移す可能性はありますけれど、現地の体制をプロデュースするなど、いろいろな方法があると思います。

松崎:先ほど「発信」と言いましたが、そのなかで自分たちがアプローチすべき自治体を絞り込み、『エーゼロ』が提供できる価値が何か、社内で練り込んでいきます。その地域が何を求めてどんな問題を抱えているのか、最初に提案するプログラムは何かを精査していきます。

一年目にこれまで西粟倉村で実践してきた、地域おこし協力隊制度を活用した地域の事業者が取り組む新規事業の担い手の伴走・研修業務を標準化し、情報発信をします。二年目から自治体とのパートナーシップを強化し、ニーズの掘り起こしを進めます。三年目以降は実施が決定した自治体でプログラムの実践を進め、地域を増やしていくイメージですね。自治体と対等なパートナーとしてお付き合いできるように実績を積んでいきたいです。

牧:僕自身が前職のシンクタンクで、全国のいろいろな地域に年間200日ほど出張し、仕事をさせていただいたことが、今に活きています。スタッフにも、西粟倉村にとどまるのではなく、たくさん旅をさせてあげたいという思いがあります。

松崎:これまでは地域だからこそ見出せるチャンスを西粟倉村で実践してきましたが、「西粟倉村だからできるんでしょう?」という声もあるかもしれません。他地域でも、ぜひ挑戦して証明していきたいですね。

 

地域の仕事は、地域に影響を与えている“手触り感”がある

— 都会のコンサル会社で働くのとどう違うのか、イメージしにくい人がいるかもしれません。違いを教えていただけますか。

 牧:実際に村に住み、村民の一員として仕事をしますので、外からではなく、地域に入って仕事をすることが大きな違いです。僕も都会にいたことがありますが、地域に住んでいると見える世界の解像度の高さが違うんです。地域に住んでいるからこそ、細かいところまで見据えた提案ができると思います。

ただ企画や運営をするのが僕らの仕事ではなくて、役場や地域の人との関係を蓄積していっているんです。その関係性を運用しながら成果につなげていくスタイルなので、長期的に関わることが前提となります。

 

— LIチームの皆さんにも、「地域で働くこと」についてお聞きしたいです。みなさんがそれぞれ村外から来た方たちですよね。

大谷:はい。今地域に暮らしながら、行政の大きな事業や地域の事業者さんのプロジェクトに関わっています。公私で関わりがあるので、行政がやろうとしている方針や各社の事業などいろいろな情報が入ってきて、それぞれのつながりがよく分かるのは楽しいです。村全体をいろいろなレイヤーで動き回り、それを仕事に活かせています。

高橋:私は人間関係が濃厚なところがおもしろいと感じています。プライベートだと踏み込まないようなところも、仕事では踏み込むことができたりして、人間関係が密接なんです。それが自分たちの暮らしにもつながっていて、やりがいを感じています。

大井:前職はいわゆる大企業の営業で、テレアポを一日100件ほどするような仕事をしていました。とてもいい経験でしたけど、自分がやっていることが社会に影響を与えられていると感じづらくもありました。自分の行為が実際に価値を生んでいるのか、その現場まで距離があったんです。

西粟倉村では、顔の見える範囲で仕事をしているので、地域に変化が生まれていく“手触り感”があります。住民が「自分たちが地域づくりに関わる一員なんだ」という感覚をもっていることにも刺激を受けています。

 

人のチャレンジや成長を喜べる人が向いている

— どのような人が合いそうな仕事だと感じますか。

松崎:人とのミクロな関わりが必要な仕事です。一人ひとりが生きてきたプロセスを理解できる人であれば、仕事のスキルも高まります。たとえ自分が理解できないような生き方をしている相手がいたとしても、それを尊重できる人であればと思います。

牧:コーディネーターであり、チャレンジのプロデューサーです。人が何かにチャレンジすることに興味・関心を持ち、一人ひとりが輝きを増していくような瞬間に、ゾワゾワッと嬉しく感じる人がいいのではないでしょうか。

地域の仕事は、やってみないとどうなるか分からない部分があり、プレッシャーや不安もありますが、それを超えるおもしろさがあります。やってみたら予想しなかった未来が浮かび上がって、関わる人のエネルギーが上がっていくんです。

松崎:予測がつかないことを「なんとかなるさ、むしろおもしろいじゃん!」と思える人が合うでしょうね。

牧:計画したりコントロールしたりできないのが地域、という前提のなかで、いい流れを生み出すことはできるんです。そのプロデュースや、可能性を発掘していくことが僕らの仕事なのでしょうね。ピンときた方、ぜひ仲間として加わっていただけたら嬉しいです。