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【デジタル型 地域おこし協力隊募集】デジタル人材、クリエイターならどこでも稼げる。だからこそ、地域にどっぷりつかってみよう。

北海道厚真町では、2016年から起業型地域おこし協力隊を募集しています。地域での起業に向いたスキルのひとつに「デジタル」や「クリエイティブ」と呼ばれるものがあります。このスキルがあれば組織に属さずリモートで仕事をすることができます。もしそのスキルを持っているのであれば、都会を離れて厚真町で起業してみるのはどうでしょうか?本記事では、厚真町に暮らしながら、デジタルスキルを活かし都会と地域の両方の仕事をし、地域ならではの時間を存分に楽しんでいる入澤靖さんの事例を紹介します。入澤さんのライフスタイルには、デジタルスキルを活用した地域おこし協力隊を目指す人にとって、たくさんのヒントが詰まっています。

厚真町でデジタルスキルを活用して起業を希望する方はローカルベンチャースクール(LVS)にエントリーをお願いします。エントリーをご希望の方はこちらをクリックしてください。

 

デジタルやクリエイティブの仕事はリモートでも稼げる

地域に居ながらにしてリモートで稼げるスキルがあります。プログラミング、ライティング、デザイン、カメラ、動画編集、ブランディングなどです。もちろん、起業し仕事をもらうためにはしっかりと実績を積んでいる必要はあります。もし、地域おこし協力隊として地域に入るなら安定的に月々収入が得られるので、しっかりと技術を磨きながら少しずつ地域の仕事を得ていく時間があります。入澤さんは地域おこし協力隊ではありませんが、エンジニアとしてのスキルを活かし、厚真町で少しユニークな働き方をしています。

――入澤さんが収入を得るための「スキル」にはどんなものがあるか教えてください。

入澤:まずは「プログラミング」です。少し専門的になりますが、いわゆるインターネット上のWebサービスでよく使われる「JavaScript」や「HTML」、組み込みアプリケーションを作る際に使う「C言語」、データベースを操作するための「SQL」などが使えます。

その他は直接的に稼ぐところまではいかず、趣味的なものになりますが、写真撮影や動画撮影、それらの編集もできますし、ドローンを操作し空撮やユニークな角度からの撮影もできます。

――「趣味」と言いますけど、カメラもレンズも立派ですよね(笑)

入澤:そうですね(笑)。確かに撮影や編集そのもので仕事になってはいないのですが、Webサイトの構築の依頼なんかを請けるときに、その一部としてサイト内で掲載する写真や動画の撮影・編集も一緒に対応しています。

入澤さんの所有する“趣味レベル”の撮影機材

 

――デジタルであれば田舎にいながら都会でも稼げると思うのですが、都会の仕事と田舎の仕事の割合としてはどのような感じですか?

入澤:厚真町内の仕事ではそんなに稼いではいなくて、基本は正社員として札幌の会社の仕事をして収入を得ています。この会社はフルリモート、フルフレックスで、副業も許可されているので、しっかりと成果物を納品できるなら時間も場所も自由になります。

――それは素敵な会社ですね。フルリモートはコロナ禍になってからですか?

入澤:いえ。2016年からお世話になっていますが初めからフルリモートです。リモートで働けるところにこだわって探しました。

 

自然があるところで暮らしたい。まずはその気持ちが起点となる。

デジタル技術はリモートでも発揮できるため物理的には「どこにいても」稼ぐことができます。どこでもできるからこそ「あえてここで」と拠点を選ぶには、なんらかの「その地域」と「自分」をつなげるモチベーションや理由が必要です。入澤さんの場合、それは厚真町の自然でした。

――厚真町に暮らすまでのいきさつについて教えてください。

入澤:ソフトウェア開発の仕事で就職して、エンジニアとしてのキャリアを積みました。その時に妻と出会い結婚しました。東京で働いていたのですが、北海道に旅行に来たときにとても自然が豊かで、こういうところで暮らしたいなと思うようになりました。仕事をしながら、個人でソフトウェア開発もしていたので、「これを売れば良い」と考え、起業して移住することを考えました。

――移住して起業する、というのは私たちが支援している「起業型地域おこし協力隊」と似ているところがありますが、ハードルは高いですよね?

入澤:そうですね。東京で二人分の収入があったところを無くす話ですし、妻には反対されました。でも、なんとか説得しました。妻が務めていた会社と話したところ、移住したとしても引き続きその会社に関われることになったのも後押しになりました。

でも、起業の種だったそのソフトウェアは売れなくて…。妻には申し訳がないですし、何か仕事を探さなくてはということで、ソフトウェア開発職で就職先を探しました。そのとき「リモートワークができること」も条件にして探したところ、先ほど述べた会社と縁がありました。

――厚真町にいながら仕事をしたいということですよね。なぜ厚真町に決めたのですか?

入澤:空き家バンクで北海道を調べたときに厚真町のルーラルビレッジの物件が出てきました。森の中に家があるこの環境はすごく良いと思いました。それで実際に来てみて本当に良いなと思ったのですぐに決めました。

――ルーラルビレッジの環境が良かったんですね。もともと田舎育ちなのですか?

入澤:いいえ、ずっと都会です。だから田舎のことはわからなくて。夏に草刈りが必要な環境も初めてで、最初は雑草と花の違いも分からず、花も刈ってしまって怒られました(笑)。

 

仕事が先か関係が先か?地域で関係を作ることが先。地域を好きになれば勝ち。

入澤さんの勤める会社は副業が許されていることもあり、入澤さんは収入における比率は少ないですが地域の仕事でも収入を得ています。誰一人知り合いのいない土地に移住してきて、いきなり地域の仕事はありません。どうすれば地域の仕事が増えるのでしょうか?

――地域の仕事はどのようにして増やしてきたのでしょうか?

入澤:まずはパソコンの修理なんかですね。メインの仕事がありますので特にここで稼がなくてはならない理由は無かったのですが、仕事柄「パソコンに詳しいぞ」と地域の人が思ってくれて修理をお願いされるようになりました。

――2015年に移住してすぐにそういう依頼があったのですか?

入澤:2018年の震災(2018年9月6日に北海道胆振東部地震が発生し、厚真町も大きな被害がありました)がきっかけです。みんなが被災して、お互い助け合う中で一気に知り合いが増えました。自分の職業のことも知ってもらえてパソコン関連の相談をもらうようになりました。たくさん助けてもらいましたし、その恩返しも込めて何かできることがあればと思い対応し始めました。そうしているうちに他の仕事も紹介してもらえるようになりました。

――お話を聞いていると、厚真町のことが本当に好きなんだなと感じるのですが、どんなところが好きですか?

入澤:まずは海が好きなので海岸があるのが嬉しいです。サーフィンはやらないですけど(笑)。苫小牧や千歳といった町の近くなのに夜に灯りが少なくて、夜空の星がきれいに見えます。森ももちろん良くて、珍しい鳥やリスにも会えます。どんぐりを袋にいれて置いていたらリスが取りに来て、取られないように引っ張り合いをしたこともあります。交通の便としては千歳空港も近いですし、車で札幌にも行きやすいです。雪が少なくて雪かきが少ないのも助かります。

 

デジタルスキルを活かして地域で起業する3つのステップと、地域おこし協力隊としての心構え。

入澤さんの例を参考に、デジタルやクリエイティブスキルのある人がどのように稼いでいくか?地域おこし協力隊として地域に入ったあとの動きを、3つのステップに分けて解説します。

ステップ1 自分のスキルを都会で売る

まず大前提として入澤さんが札幌の会社で仕事を始めたように、安定的な仕事・収入を得るには「都会」で稼ぐことを考えましょう。自分のスキルが都会で「いくらで買ってもらえるのか?」これをしっかりと知ることです。買ってもらうにはお客さんが必要です。企業相手か、個人相手か。そこに対して自分が直接営業できるのか、もしくはスキルを販売するサービス(クラウドソーシング)を使うのか。スキルで誰にどこでどう売るかによって価格帯は異なります。地域に入る前にこのルートを確保できていれば、地域おこし協力隊の費用に加えて、売上が立ちますので「次なる投資」に回すお金が稼ぎやすくなります。

ステップ2 地域との関係づくりに時間を投資する

よく事業に必要な要素として「人、物、金、情報」と表現することがあります。この中で一番重要なものは何でしょうか?それは「人」です。物も金も情報も「人」が運んできます。運んでもらうには「信用」が必要です。ステップ1の「スキル」が十分であることも信用のひとつです。そしてひとつひとつ仕事の成果を重ねていくことで信用は大きくなります。都会に比べて地域では、この「人」の占める比重が大きいです。

入澤さんは地域の人との関係が深まるにつれ、パソコンに関する相談を受け修理の仕事が入るようになりました。チラシを作って欲しい、インターネットで告知を手伝って欲しい、地域にはそんなお願いごとを持っている人がたくさんいます。あなたにデジタルスキルがあることを知ってもらえれば、きっとたくさんの話がやってくるようになります。

ステップ3 独自のサービス開発などに投資する

都会と田舎を問わず、デジタルの仕事は「自分が手を動かす」ことになると思います。仕事に対する単価は比較的高いと思いますが「労働集約的」と言えます。そこで自分が動くのではなくサービスやアプリケーション開発に投資して、それらが稼ぐように計画することもできます。成功とまではいきませんでしたが、入澤さんは東京の会社員時代に自分の時間を投資してソフトウェアを制作しました。仲間を集めてそれぞれの技術を持ち寄り何かサービスや商品を作り、自らが手を動かさずとも収入が得られる仕組みを作っていこうとすることは、とても夢があると思います。自分の時間と技術を投資してみる価値があると思います。

ステップ1~3としましたが、必ずしもこの順番でなくてもいいですし(入澤さんは3、1、2の順番です)、お金のことだけを考えるとステップ1だけでも十分と言えます。ただし、自分のスキルが十分に都会でお金になることが見えていない状態で地域に入ると苦労することも考えられます。ステップ0として、協力隊として地域に入る前に地域に入っても仕事が引き続きもらえる状態を作っておくことも非常に有効です(入澤さんの奥さんがそのケースと言えます)。

地域にいながら、自分で技術を磨き、自分で営業し、実際に稼げる状態になるにはかなり頑張る必要があります。技術を学び、磨くには都会で切磋琢磨する方が有効かもしれません。

一般的には地域の単価と都会の単価では、程度の差こそあれやはり都会の方が高いです。ですので、ステップ1を飛ばしてステップ2をやってしまうと、協力隊の収入が無くなった後に地域の仕事だけでは十分な収入が得られない可能性もあります。投資に回すだけのお金も貯まっていませんのでステップ3に進むこともできません。

ステップ1ができたなら、ステップ2をする必要があるのか?都会からの収入で十分に生活できるのであれば、わざわざ時間をかけて地域と関係を作り、地域の仕事を創っていく必要があるのか?という問いもあると思います。

これまで6年間地域おこし協力隊を受け入れてきた立場から言えることは、「ステップ2をやりたい!」と思う人が地域おこし協力隊になることが望ましいと思っています。ステップ1だけで稼げるし稼ぐつもりであれば、地域おこし協力隊にならずに自分の力でそのようにすればいいと思います。まさに今回ご紹介した入澤さんがロールモデルとなります。

お金には「質」があると思います。自分で稼いだ「自分のお金」であれば自由に使えばいいと思います。でも、地域おこし協力隊のお金は国や地方自治体から出してもらう「税金」です。いろんなところから集まってきた「みんなのお金」です。「自分のお金」と「みんなのお金」の違い。これをしっかり理解して受取り、みんなのお金を受け取ったなら、しっかりと成果を目指し挑戦し結果を出すことで、みんなのところ(=縁のあった地域)に返していく。そんな気概を持つことが大切だと思います。

そして地域に入ることの醍醐味は、このステップ2「地域との関係を作る」ところにこそあります。地域おこし協力隊の任期は最大3年です。人生の中の3年をせっかく使うなら、この醍醐味がどんなものかをとことん味わうために、地域にどっぷりひたってみる。

それをやってみて「合う、合わない」はあると思います。合わなかったとして、その地域を離れることになっても、「いろいろやらせてもらったな」と良い感情を持って、良質な関係人口として関われるなら、その場を離れたとしても地域への恩返しになると思います。

任期が終わり、地域に残っている皆さんは口をそろえて言います。「任期が終わるくらいからようやく地域の中で認めてもらえて面白くなる」。地域が楽しいと本当に感じるためには「3年くらいはかかる」。最初からそう思って地域おこし協力隊になることをおすすめします。そして自分の時間をしっかり使って作った地域との関係性は、きっと豊かな時間をあなたの人生に返してくれると思います。

最後に、厚真町でステップ2にたくさんの時間を使っている入澤さんが、趣味レベルと評する機材で撮影した厚真町の景色を紹介します。「この地域が好きだ」そんな気持ちが伝わるのではないでしょうか。厚真町にどっぷりつかってみたい、そんな気持ちになった人はぜひ厚真町での起業型地域おこし協力隊に応募してください。

厚真町で起業型地域おこし協力隊を目指す方は「ローカルベンチャースクール」というプログラムに参加する必要があります。詳細は下記のページをご覧ください。

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入澤さんが撮影した厚真町の景色

厚真町の中心を流れる厚真川と朝日

 

ドローンで空撮した紅葉で様々に色づく厚真町の森

 

浜厚真海岸に沈む夕日

 

岸壁に打ち寄せる波

 

雪で冬化粧した厚真町の森

 

夜の灯りが少ないからこそ取れる厚真町の夜空

自然豊かな厚真町で地域おこし協力隊となり、自らのデジタルやクリエイティブのスキルを活かし起業に挑戦してみませんか?

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