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【地域おこし協力隊募集】北海道厚真町と東京上野をつなげる羊ビジネス。ひとりの起業家として、この縁を活かしてみませんか?羊生産の担い手、挑戦者募集。

教員の仕事を定年後、2005年に厚真町にUターンし 羊農家へと転身した山田忠雄さん。2009年に東京上野で「ラムチョップのお店」を開業し、現在は複数店舗を経営する前川弘美さんは、国産の羊肉を提供すべく各地の生産現場を訪れていました。そして、2022年。「もっともっと羊を増やしたい」ふたりのその思いが厚真町で出会い、その担い手を募集することになりました。「起業型」地域おこし協力隊として羊農家を目指してみませんか?

厚真町は今年もローカルベンチャースクール2022を開催します。厚真町で羊ビジネスにチャレンジを希望する方はローカルベンチャースクール(LVS)にエントリーをお願いします。エントリーをご希望の方はこちらをクリックしてください。

 

羊ビジネスで起業を目指す

 

北海道厚真町では「起業型」地域おこし協力隊を募集しています。自らの進めてみたい事業アイデアを持ち込み、ローカルベンチャースクール(LVS)という選抜プログラムを通過した後、地域おこし協力隊として厚真町で起業に挑戦する取り組みです。

 

ビジネスは「商品」を「生産・製造」もしくは「仕入れ」て、お客様に「購入」してもらうことで成立します。起業に向けて事業プランを考える上では、「商品づくり」と「販売」の要素をひとつひとつ具体的に考えます。

 

でも、すべてを自分だけで考えきるのは少し難しい。ヒントが欲しい。そんな人のために、完全に白紙ではなく、起業に向け少しだけ補助線を引いた「起業案」として「羊ビジネス」を紹介します。

 

羊農家の山田さんには羊を育てるノウハウがあります。しかしながら、山田さんは年齢的なこともあり、羊の数をこれ以上増やすつもりはありません。前川さんには羊を売るノウハウがあります。自身が経営する飲食店ではコロナ渦で経営の厳しさが増すなかでも、「ラムチョップ」を年間15万本も販売しています。

 

もし、山田さんに羊を育てるノウハウを教わることができ、生産した羊は前川さんが購入してくれるとしたらいかがでしょうか?せっかく商品を作っても売り先が無い。その間に事業資金が無くなっていく…。 そんな例はたくさんあります。だからこそ「ちゃんと売り先がある」ことはビジネスを始める上で非常に重要です。

 

この案はビジネスとして商品づくりから販売先までがしっかりと見えています。厚真町で地域おこし協力隊となり、羊生産を担う起業家として挑戦する。そんな人を募集しています。

 

羊は家族。羊農家の日々。

 

山田さんは羊を2年ほどで出荷します。若く柔らかい羊肉を求める市場ニーズもあり1年程度で出荷する牧場もありますが「羊は2年間は体が大きくなる。それまでは育ててあげたいし、肉質は十分に柔らかい」(山田)との考えです。
※これまでの市場は1年以内の羊をラム、それ以降をマトンと呼んでいましたが、最近は1年~2年のものを「ホゲット」としてマトンとは区別するようになっています。

 

厚真町の雪のシーズンが終わり暖かくなる3月~4月が出産時期になるように、前年の10月下旬~11月頃に種付けを行います。出産時期になると毎日早朝4時半くらいに羊小屋を見に行きます。生まれていた場合には、羊舎の中で個別に区切った場所に親羊と一緒に入れます。その後、親子だけの期間を3週間程度取ることで、しっかりと親羊と子羊との間に関係を作れるようにします。その後は群れに戻します。また、1か月程度をめどに去勢と断尾を行います。尾を切るのは自らの糞尿で汚れて虫がわくのを避けるためです。

群れに戻された子羊は少しずつ牧草を食べ始めます。親羊のお乳は3か月ほど出ます。加えて配合飼料を食べさせます。基本的には牧場に生えている牧草を食べますが「乾燥牧草」もしっかりあげることが病気にさせないコツといいます。生まれて1年ほど経った時期には毛刈りを行い、2年が経過したころで生育状況を見ながら出荷します。

羊の毛刈りをする山田さん(右)と前川さん(中央)

 

 

健康な羊を育てるには牧草が羊の糞尿で汚染されないことが大切です。そのために牧場をいくつかのエリアに仕切り、えさ場を順番にローテーションさせます。「羊は食べることが仕事。空腹にさせないこと」(山田)。羊の糞尿も栄養素になりますが、いい牧草を育てるためには必要に応じて牧草専用の肥料や土壌改良のために石灰を入れるなどの作業を行います。

羊のえさにするため近所の農家さんからいただいたかぼちゃ

 

 

「羊は穏やかな動物で優しくて育てやすい。でも、死にやすい」(山田)。羊は生まれてすぐの時期に他の羊に踏まれて死ぬケースが多い。死産や流産もあるがそれらを防ぐには前述の「乾燥牧草」をしっかり食べさせること。あとは運動不足にならないように気をつける。夕方、日没前に羊は小屋に戻るので、鍵をかけ勝手に外に出て牧草を食べられないようにします。そして朝にえさを牧場に並べ、扉を開けると羊は走ってえさ場に向かいます。「走りたくなるきっかけをあげるといいね」(山田)。そして何よりも大事なのは「羊への愛情」。それしかないと山田さんは言います。「おーい、きよしくん、こっちへおいで」「マドンナちゃん、調子はどうだ」。山田さんは一頭一頭に名前を付けいつもその名前で羊に声をかけます。「羊にストレスを与えない。常に羊を気に掛ける。羊に声をかければ自分のところに寄ってくるように試行錯誤する。羊との関係をしっかり作ること。そうやって羊を安心させること」(山田)。

羊を優しく見つめる山田さん

 

 

羊農家を始めるために必要な資金は「土地」、「羊小屋」、「軽トラック」、「草刈り機」、そして「羊」です。それと日々のえさ代。えさは牧場の牧草以外に乾燥牧草や配合飼料を与えますが、米ぬかや地域の農家さんから譲ってもらった規格外の野菜も混ぜます。

 

 

命をいただくからには、その全てを価値に変えたい。ラムチョップ専門店の挑戦。

 

前川さんは東京の上野で羊肉を中心とした料理を提供する飲食店を5店舗経営する経営者です。それまでは高級フレンチの食材として利用されていたラム肉を、もっと大衆化してみんなに届けたいと考え「かぶりつきラムチョップ」を提供し始めたパイオニアです。「ラムチョップに限れば日本中の羊を集めても足りない」(前川)。コロナ渦の現在も年間で15万本を販売し、これまでに提供したラムチョップは累計で170万本にのぼります。羊肉はニュージーランドから輸入しています。

 

前川さんは長年羊肉を扱ってくる中で2つのことを思うようになりました。ラムチョップは羊の部位の一部です。命をいただく以上、すべての部位を余すことなく使い切ってあげたい。もうひとつは国内の食料自給率の低さをなんとかしたい。そのために国産の羊を扱い日本中に羊を増やしたい。小さな羊農家を応援したい。

 

最初の願いは2021年に開業した「シノバズブルワリー ひつじあいす」で最初の一歩を踏み出しました。「ひつじあいす」はその名の通り「羊をまるごと愛する」という前川さんの思いが込められています。料理として取り扱う部位は「タン」「ランプ」といった部位に加え「内蔵」にまで及びます。一口に「すべての部位を」といっても、それをお客さんに美味しく提供するには調理方法を研究し、試行錯誤を繰り返す必要がありました。2022年7月には、厚真町で出会った山田さんの牧場で育った羊も余すことなく全て調理され、東京の皆さんに提供されました。

前川さんのお店で「羊のお肉を食べ比べ鉄板焼き」として提供された山田さんが育てた羊のお肉

 

 

そして、もうひとつの願いをかなえるための挑戦が今回のビジネス案です。前川さんはさまざまな牧場を見て回りましたが「山田さんへの特別な思い」があるといいます。山田さんを知ることになったきっかけがこちらの記事です。前川さんの祖父は農家で豚、馬、鳥を飼育していました。お母さんは馬を散歩に連れていく係で、そのときの話を聞いて「幸せな子ども時代だな」と感じていました。そして山田さんの記事で「羊と家族のような関係」を築いている様子に触れ、「お母さんの話とつながっているな」と思いました。「豊かな感性、豊かな心が育まれ、それが豊かな生活につながる。きっとこういう生活、こういう関係が今の時代に必要」(前川)。そして実際に山田さんに会ってみてその人柄に惹かれ、山田さんの育てた羊を食べてみてその味わいに感動した。そして山田さんのような羊農家を応援したい。お客様との間に入ってしっかりと美味しくして届けたい。それが前川さんのこの取り組みへのモチベーションです。「愛情のかけ方で美味しさが変わる。山田さんの技術や心構えを学ぶすごいチャンスだと思う。きっと美味しいお肉になると思う」(前川)。

2021年12月に上野にオープンした「シノバズブルワリー ひつじあいす」

 

 

全てがお膳立てされているわけではない、必ず見込み違いや困難はある。

 

ビジネスには「商品づくり」と「販売」の側面があります。山田さんと前川さんがそれぞれのノウハウを持っています。販売先を見据えつつ、商品づくり(羊の育て方)のノウハウを学び、一人前の生産者になる。

 

このプランに興味のある方は1月に開催されるローカルベンチャースクール(LVS)にエントリーしていただきます。そこでは山田さんや前川さんにも会っていただきますし、このプランの実現に向けた思いも聞かせていただきます。

 

いろいろ揃ってそうだし「なんとかなりそう」な気がするかもしれません。でも、きっとそんなに簡単な話ではありません。羊は生き物です。生き物と向き合い続けるには、それなりの「想い」が必要です。山田さんと前川さんに共通するのは「羊への愛情」です。このふたりの間に入ってつないでいくには、ふたりに負けない「自分なりの愛情」を持つことが必要です。今はなくても、羊と一緒にいる時間、ふたりと関わりを深めていく中で、少しずつ育んでいけばいいです。でも、全てを教えてもらえる、考えてもらえるわけではありません。あくまでも「起業」であり、このプランは「補助線」です。ひとりの起業家として、山や谷を何度も乗り越えていく過程で自分なりの「実線」に変えていき、対等な立場で山田さんや前川さんと向き合い関係を作っていく。自分自身にそのように進んでいきたい気持ちがあるか?それを明確にするための場所がLVSです。

 

ちょっとでも興味が湧いたならぜひエントリーして、山田さんや前川さんとも会ってみてください。メンターからのさまざまな問いかけを通じて、自分の大事にしている価値観を見つめてみてください。厚真町で羊とともにお待ちしています。

この牧場でチャレンジしてみませんか?羊と一緒にお待ちしています!

 

エントリーはこちら。

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