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見据えるのは50年後の厚真町。林業、土木、農業の経験を活かして、まちづくりに関わりませんか

「僕たち、仕事の話をしていると熱が入っちゃって。よく声がでかいって怒られるんです」「公務員って、イメージしてたより意外と自由でしたね」。そんな風にワハハと笑うのは、厚真町役場の職員のみなさん。若手が活躍できる機会を増やすなど、挑戦的な取り組みを行ってきた厚真町役場で、この冬に経験者の中途採用を行います(応募締切は1/16、新卒・一般事務職の募集も併せて実施します)。募集する分野は、林業、農業、土木。人口4,700人という小さな町の役場だからこそ、知恵を絞れば何でもできると語る3人からお話を聞きました。

※こちらの求人は、応募を締め切りました
 

厚真町にあつまってきた熱い男たち

‐ 数年ぶりの技術職募集ということですが、厚真町役場は「役場の人づくり」ということで、早くから中途採用に積極的に取り組んでこられました。

この3人の中で中途採用なのは、林業を担当している宮さんと農業を担当している加賀谷さんですね。どういう経緯で厚真町に来られたのですか?

宮:僕は、今回の募集のように求人を見て応募しました。働いて6年目です。大学で林学を学んで民間の法人で働いていたんですが、林業仲間から「林業の技術職を役場で募集してるぞ」って教えてもらったときには、興奮しましたね。役場の林業職員の募集って、なかなかないんですよ。

厚真町は新千歳空港から車で約30分、札幌までも車で1時間半で行けるという利便性もありつつ、2,200haの町有林もあって、林業を本格的にできるんです。北海道広しと言えども、そういう地域は限られていますから。

加賀谷:移住してきたのはうちの奥さんが厚真町出身だったことが大きいですね。僕自身は、道内の空知という地域の出身です。前職では製造業でした。今年3年目ですが、これまで農業の経験があったわけではないので、役場に入ってから農業のことを覚えて日々勉強しながら業務に取り組んでいます。厚真は、宮さんが言っている通り立地条件が良いなあと。住むのに良さそうだなと暮らしベースで考えて、役場を受けました。

‐ 江川さんは新卒採用で入られて16年目だとか。町長のインタビューを読むとちょうど変革期の時に入られたのかなと思うのですが。
 

江川:そうですね。僕は土木の専門科を卒業して2000年に入ったんですが、その頃はちょうど町外の職員も採用し始めていて、同期が5人いるうち厚真町出身者は僕くらいでした。2007年から民間企業等の経験者の中途採用も本格的になりましたし、同じ町の職員だけで構成されているといった“閉じている役場”のような雰囲気は変わってきたと思います。

‐ 職歴も経歴も様々なお三方ですが、普段はどんな仕事をされていますか? 農業、林業、土木というとそれぞれ既存のイメージがありそうですが、厚真町ならではの特徴や、やりがいについても教えていただけたら。

宮:林業は、森に関わるすべてのことをやっていますね。大きく分けるなら「林業振興」「町有林の管理」「野生鳥獣対策」。「林業振興」が最も範囲が広くて、担い手育成や地域おこし協力隊の受け入れなどの人材育成もやりますし、山林所有者向けの支援、公共建築物を地域材で作るといった企画や木質バイオマス活用、林道の整備や維持管理についても携わっています。鹿やクマが山に増えている現状もありますし、獣害対策も工夫していかなければいけない。昔と同じことをやっていればいいのではなくて、進化が求められていますし、いろいろな企画が必要です。

あとは町有林が広いこともあり、山林所有者として、50年後100年後の山のビジョンを持ちながら管理をしていけることもやりがいの1つですね。いまは、諸先輩が50年前に植えてくれた木を僕が管理しているわけですけど、超長期の流れの中で、山林や地域のことを考えながら、いろんなことを企てていけるのは非常に面白いです。

– 町が所有している森林資源を活用して、自分のアイデアと行動次第でプロジェクトを実行できる可能性があるということですね。

土木は、どういったお仕事を担っていくのでしょうか。

江川:土木は、道路や河川の工事や整備をしたり、台風が来て何かが壊れてしまったら復旧をしたりします。冬は除雪作業の管理もしますね。公園の維持管理や用地開発にも関わります。いずれも、自分が現場の作業にあたるわけではなく、地域の業者さんたちにお願いして、作業を進めていきます。
 

一度作ると長く使われるものなので、長いスパンで町の未来を考えて、まちづくりの視点から計画を作っていくことが大事ですね。自分が考えていたものが完成して、地図に載ったり、その後何十年も使われたりするのには、やりがいがあります。新しいものをつくるだけでなく、既存のものを直し、維持管理していくという視点も大事です。

あと、3年前に用地開発した、移住者向けの分譲地の売れ行きが好調で。このままだと完売してしまうので、次の用地開発の計画を進めています。まちづくりの視点も入れながらプランを作りたいと思っていて、そういったことを一緒に考えてくれる仲間が来るといいなと思っています。

– 実際に作ったものを町の人たちがどう使い、町にどんな影響が生まれるのか。それを見ることができるのも、土木の大きなやりがいと言えそうです。

町の主要産業である農業については、新規就農者への支援を行っていたり、いろいろ新しい動きが始まっていますね。

加賀谷:町としては「農業人口の維持」「農業所得の向上」を軸に農業振興計画を作っています。日々の業務は、国からの補助事業への申請などが多いですね。農業者の意向に合うような補助事業を探して、それが使えるかどうか調べて、申請までサポートしています。

助成金がたくさん出る分野だけに、経営的にちゃんと自立していけるよう農業者をサポートするのも大事だなと考えています。農家を鍛えてくれる南部さんのような集落アドバイザーにも力をお借りしながら、「稼げる農家」を育てることが目標です。

また、新規就農者の受け入れや育成にも力を入れています。厚真町には6,000haの農地がありますし、担い手はもっと必要です。来年完成予定の担い手支援センターで担い手の確保はもちろん、農業経営についても丁寧に指導していく予定です。
 

まちづくりの視点で、林業、土木、農業の可能性を広げてほしい

‐ 今回は中途採用者を募集しているということで、具体的にはどういう方に来て欲しいですか?
 


宮:林業でいうと、林業六次化やバイオマスの事業の体制をきちんと作っていくなど、もっと充実させられる余地があるなと思っています。これまで林務担当は僕1人しかいなかったけど、一緒にそういう事業を伸ばしていくところを手伝ってもらえるといいですね。獣害対策や山林保全などにも、新しい力が必要です。
あと、知識や経験も大事ですが、役場って町民やいろいろな方と触れ合う機会も多く、人とのコミュニケーションがすごく大切なんですよね。事業を進めていくときに、町に住んでいる方の事情を把握しながら組み上げていく必要がある。だから、人が好きなことやちゃんと相手の話を聞けることも大事です。

江川:土木も同じですね。土木担当が作るものは、町民が使うもの。町民の皆さんが使いやすくないと意味がないですし、地域の人に関わっていこうとする気持ちがある人がいいですね。公園をどう作るかとか、ハードから考えてソフトまで提案していくこともありえる。自分から考えたり、提案してくれる人が来てくれると嬉しいです。
 


大きい行政だと計画だけ・工事だけなど分業されている場合もありますが、厚真町役場は計画・工事・完成まで全部に携われる。小さい役場だからこそ、地域に密着した仕事ができるかなと思います。土木ってきつい仕事だというイメージがあるかもしれませんが、一番下でまちを支える面白い仕事です。いまはうちの役場の行政職員の男女比は4:1くらいなんですけど、女性の人にももっと飛び込んできてもらえたらと思っています。

加賀谷:農業では、「稼げる農業」の推進に向けて、農業経営を改革していくことを考えられる人が来てくれるといいなと思っています。農業者の実態を知っていて、寄り添える、アドバイスができる人ですね。僕自身も勉強中なのですが、しっかりとした制度を設計していくには、農業経営の中身を知ってないといけないなと感じています。補助金を設計するにしても、どれくらいの投資効果が見込めるかなどをもっと考えていきたい。
 


今でもいろいろ工夫はしていて、米・麦などの広い農地を活かした生産だけでなく、小さい農地で高い価値を出していけるように指導したりしています。ほうれん草をハウスで育てている安達さんもその一例です。体験農園をやられるなど、ハスカップの六次化に取り組んでいる山口農園さんの存在も厚真町を引っ張ってくれています。

農家ひとりひとりにとっていい施策は何か、厚真町全体として農業をどう強くしていくか。答えは1つじゃないかもしれませんが、ビジネスとしての農業を一緒に考えていけたらと思います。

‐ どの業務も、町民にとっての豊かさや暮らしやすさを考えながら、長いスパンで計画を立てる。答えを探っていきながら、ビジネスとして仕組みや制度を組み立てていく。まちづくりに興味がある方には面白い仕事だと思います。

応募要件の「民間企業等で実務経験が3年以上の方」は1つの目安として、「やってみたい」という気持ちがあれば、まずは問い合わせてもらえるといいかもしれません。

宮:僕も要領にどこまで当てはまっているのかわからなかったので、応募前に役場に問い合わせしたんです。そこから今のご縁があるので、迷ったり自分では判断できないなと思ったら、気軽に役場まで問い合わせてもらえたらと思います。
 

「公務員って自由だ!」若手に任せてもらえる土壌を使い倒す

‐ 厚真町役場は現在100人弱の職員数で、町内では農協の次に大きい組織と伺っています。一方で、課の枠を超えた有志で構成される「プロジェクトチーム」があるなど、フットワーク軽く事業を推進されている印象があります。皆さんは、厚真町役場らしさを日々どんなところで感じますか?

宮:職員全員の顔がわかる規模ですし、それぞれと話しやすいですね。他の市町村と比べると合併がなかった町なので、一体感が強いかもしれません。こども園のプロジェクトチームのように、若手に任せてくれる体制を作ってくれていますし、横の連携がしやすいのは小さい自治体のいいところかと。町のためになることだったら、有志の活動を業務として認定してもらえることもありがたいです。
 


加賀谷:以前、民間にいたとき、トップダウン型の組織にいました。だから転職してきて、「公務員って意外と自由なんだ」って(笑)。言いたいことを言わせてもらえますし、自分から発信できることも楽しいですね。前例がないからという理由で止められたりもせず、チャレンジさせてもらえる。それに、職場のみんなと、雑談しながら楽しく仕事の話ができることも幸せだなあと感じます。

江川:管理職に就かれている先輩方が、すごく親身になって話を聞いてくれるのが、ありがたいですね。僕が入った頃に係長だった方が実績を出されて、今、上司として見守ってくれているのが、心強いです。新しいチャレンジを後押ししてくれる人たちが重要なポストについているので、とてもやりがいがあります。

役場の業務を通して、町民の夢が叶ったり暮らしやすくなったりもしますし、もしかしたら働いている自分の夢ややりたいことも叶うかもしれない。そういう仕事ができる環境は整っていると思いますね。他の市町村の面白い取り組みを視察に行ったりもしますし、まちづくりをしたい人には、楽しい環境なのかなと思います。
 

宮:町長の言葉を借りれば、「基本を押さえて、枠を飛び出なさい」。今回募集しているのは、「厚真町のこれからの50年」を作っていく仕事なので、やりがいは本当にあります。やるかやらないかで、50年後の町のあり方が全く違ってきますから。

僕らは50年後に生きているかわからないけど、町が変わっていく様子は見えると思うんです。そういう風に、まちの未来にやりがいを感じられる人には、こんなにいい職場はない。もちろん事務作業だとか細かくて煩雑な仕事も沢山あるんですけど、自分次第で楽しいことをつくっていける職場なので、新しく来られた方々と一緒にそうしていきたいと思います。

江川:宮のように熱すぎるタイプとか、ちょっと変わったキャラクターの人が外から来ても、僕らでサポートします。全力で受け止めるので、安心して飛び込んでほしいなと思います(笑)。

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