関係人口創出と持続の仕掛け「西粟倉アプリ村民票」がフルリニューアル。 関わる人と一緒に成長させていくアプリが目指す先とは

2020年8月19日、西粟倉アプリ村民票がリニューアルしました。

2年前に関係人口(地域と多様に関わる人々のこと)を増やしていくための全国初のアプリをリリースしてからの歩み、そこから気づいた可能性や面白さ、そこから新たに仕掛けたこと。

西粟倉村役場からこのアプリの開発と運営を受託しているエーゼロ株式会社の代表の牧大介と谷内ススム氏(株式会社イノベーティブプラットフォーム 代表取締役。共通ポイントやCRMの専門家。西粟倉の関係人口の一人)と、の対談から紹介します。

※2年前のリリース時の記事はこちら

 

アプリ村民票で見えた可能性と、そこからの仕掛け

-今日はどうぞよろしくお願いします。(谷内さんは東京からのオンラインでの取材となりました)
今回の取材では「西粟倉アプリ村民票」のリニューアルの背景や、リニューアルに際してどんな仕掛けをされたのか是非色々と聞かせてください。
早速ですが、まずリリースされた当時のことと、そして、そこからの取り組みを聞かせてください。

牧:2年前当時は、全国的にも「関係人口」という言葉がよく出てくるようになり、それは西粟倉でも重要であるという認識はありました。
また、当時は合併しないと決めて10年目。これまでの10年間は村全体が「百年の森林構想」を掲げ自然資本の充実と地域経済の拡充に取り組んだと整理し、更に今後10年は「生きるを楽しむ」をキャッチコピーに社会関係資本の価値を高めていこうとしていました。

 

社会関係資本の価値が高まるとは、質のいい人同士の関係の蓄積しそれが地域にとっての共有財産になっていることだと思います。

ただ、全国的にも、村の流れとしても関係人口の取り組みは重要だとわかっても、どう見える化していけるか、コミュニケーションしていくかは課題が有りました。
当時から、村に関係するFacebookページも多く、個々の会社の情報発信はあり、一見コミュニケーションはされているようですが、実際は「村」に興味があって関わってくれる人の入り口はわかりづらかったのです。
そこで、アプリを使い上手く関係人口を蓄積しコミュニケーションとることが出来たらということでスタートし、この2年間試行錯誤してきた。

谷内:2年前はアプリがデジタルツールだからこそ多くの人に届けられる、だったら登録者数何万人という規模を目指せる、それなら目指そう!となり、人が多く集まる道の駅での広報活動もしました。
これら広報活動もしたことは良いトライだったけど、去年後半からは、ただ人の数を増やすというより、西粟倉の強みであるローカルベンチャー(以下:LV)との連携をはじめ、既にある関わりがより濃いものと良いのではということも見えてきました。

 

牧:谷内さんはCRM(Customer Relationship Managementの略。顧客関係管理や顧客管理のシステムこと。顧客の満足度やロイヤリティの向上に努める仕事)の専門家としてアプリ村民票のプロジェクトに入ってもらっています。

 

-CRMの“C”はCustomer、直訳すると顧客かと思います。関係人口は顧客という捉え方でもあるのでしょうか?改めて「関係人口」とはどういう存在なのでしょう?

牧:西粟倉の関係人口とは「その人の持っている時間やお金を使って西粟倉とか関わってくれる人」「共創関係にある村の顧客」だと考えています。
だからこそ、改めて顧客管理をするCRMシステムを、アプリ村民票で応用していこうとしています。

今回リニューアルでは改めてCRMの基本的な仕組みに立ち返りリニューアルを決めたところもあります。
CRMは何かを買ってもらった顧客との関係を深め、更なる購買をしてもらう為のコミュニケーションを前提とした顧客管理をするシステムです。
この2年間のアプリの運用では購買する機能を持たずに、関係人口創出や持続をしようとしていたとも言えます。

なのでその「購買機能」としてサブスクリプションやギフト商品やサービスを販売するECサイトnimogie(ニモギー)も立ち上げ、ここで商品・サービスを買っていただくことを関係人口の入り口にしようとしています。

 

-nimogieはどういった意味なんですか?

牧:nimogieは「西粟倉 森から ギフト」を意味して、頭文字をとって作った造語です。

“ 西粟倉の森からの贈り物を大切な人たちと分かちあう
森からの贈り物を受け取っていただく
大切な誰かに森からの贈り物を届ける
そして西粟倉の森を守り育てることに関わっていただく“

そのためのオンラインショップです。

実際にニモギーさんというキャラクターも考えて作りました。
森の賢者フクロウです。
ニモギーさんが商品やサービスを紹介してくれるコンシェルジュのような役割を担ってくれる予定です。

 

アプリ村民であれば、nimogieでのお買い物が少しお得になるとか、おまけが付くとか工夫をしながら、nimogieがあることでアプリ村民数=関係人口も増やしていこうとしています。そして繋がった方々にアプリを通じて関わりしろをご案内し、より深い、濃い繋がりを構築していきたいと思っています。
nimogieとアプリ村民票の2本柱でCRMシステムがしっかり機能していくのではと考えています。

 

村の色んな人達と一緒に成長させるアプリ

-ニモギーさんかわいいですね。
なるほど。CRMの考え方からECサイトとアプリの構造が今回の新しい点なのですね。
それに合わせてアプリ側で変更された部分はありますか?

牧:まず、見た目は大きく変えました。TOP画面は自分たちでも変更できる仕様にもし、よりリアルな情報を、わかりやすく伝えられるようになったと思います。
そして情報は網羅的なものを意識して掲載しました。
これで静的に必要なことは揃ったと感じています。これを定期的に見直しながら、加えてその時々のイベント等の動的な情報が加わりアプリは充実、成長していきます。

“成長”ということで言うと、今回のリニューアルを機に村の色んな人達と一緒になってお客さんを増やして貯めていくことが出来る、一緒に成長させていけるようになったと思っています。

 

-一緒に成長させていける。それは何か新たな機能がついたのですか?

牧:機能としてはまず「電子スタンプ」かな。
村内の観光施設への訪問(購買)やイベント参加によってスタンプが押され、ポイントが貯まる仕組みを加えました。
このポイントはnimogieでの割引クーポン等に変換できます。
スタンプは村内の観光施設8箇所(2020年8月現在)に設置されていて、その施設で何か購入したりサービス利用された方には1施設1回スタンプを押すことが出来ます。
他にも、イベント参加してもスタンプが押せるようにもしていこうとしています。

谷内:あとはポイントの仕組みを使って会員ランクが示されるのも仕掛けのひとつです。
レギュラー、シルバー、ゴールド、プラチナと段階があって、スタンプ押印等、関わりの度合いによって変動するものです。ランクの高い人には優先して情報を提供していこうとしています。

牧:本当に本当にいいものって数に限りがあるから、そういった良いものは、より村を好きで関わってくれている人を優先的に案内したいと思って実装しました。
単純に、自分のランクを上げていこうというモチベーションを持って楽しんで関わって欲しいという思いもありますね。

 

-スタンプやポイントを楽しく貯めていく仕組みに、施設をはじめ村の方々と一緒に取り組んでいくということですね。

谷内:西粟倉がこれまでLV支援に力を入れ、起業家が多く集積する地域になったことはスタンプやポイントの仕組みが活かされ、アプリを一緒に成長させていける土台があるということだと思います。

牧:そうですね。今、村には約40社のLVがあり、その方々にとって「西粟倉」は大切なブランドで共有財産となっています。
アプリをLVの皆さんや村の方々に楽しんでもらい、そして乗り入れてもらい、一緒に村のファンの人たち集め共有していければ、ちゃんと丁寧にコアなファンの方と繋がるアプリになるのではないかと思っています。

 

-西粟倉はこういった仕組みが向いている地域ということでしょうか?

牧:西粟倉はこの仕組みが向いている地域だと思います。
巨大な核になる集客拠点、例えば温泉街があるなら、その温泉街が頑張れば良いのかもしれませんが、西粟倉のような個性が光る会社が沢山増えてて、多様な価値観が有りながらもその1社1社が彩りとして目で見える規模の地域であればアプリは向いていると考えています。

DMOや地域商社は各地で語られ立ち上がっていますが、アプリが色んな人で作り上げていけるならDMOや地域商社が目指すものがアプリ上で体現されていくではないかと思います。

谷内:この地域の大きさだからこそ、ビジョンがシンプルに打ち出せるのも強みだと思います。大きい地域は色んな考えがあり、色んな方向で進んでいますが、西粟倉は実感が伴うスケール感です。これは強みです。

牧:百森構想があり、百森2.0があり、生きるを楽しむがあり、そのちゃんと魂の入った言葉が村から生まれていて、そこに共感を持った方々が集っていくといいなと。そういう人たちに関わっていただく入口としていいアプリになるといいなと思います。

 

外からも、中からも双方向から関われるアプリ

-今回のアプリ村民票のチラシでは「関われるアプリ」とありました。
村の中の方が関わる話を伺いましたが、アプリを利用して欲しい方々にとってはどういう関わりが生まれていきそうですか?

谷内:働きたい、来てみたいという方はもちろんですが、プロボノとして事業を手伝いたいような方も利用して欲しいです。
先日、自分の知見や経験を生かして西粟倉にプロボノとして関わることに関心を持つ人たちと意見交換の場を設けたんですが、そこで話を聞いていると、多くの人が西粟倉のチャレンジを知っていて、関わりたいと手を挙げてくれています。
ただ、関わり方がイマイチわからないとう声もありました。
ここを上手く繋げる役割をアプリが担うことは楽しみですね。

牧:コロナもあり、関わる地域を考える、地方と繋がりたいと思う人も増えていると考えます。
このタイミングでのリニューアルは必要なタイミングなのだと思います。

谷内:ただ、事業への関わり方はプロボノだけとも限りません。
面白そうな村だから関われれば、くらいでいいと思います。
大した専門性はないが、子育て関係のアンケートなら協力するというのも大切な関わり方で、しっかりと関係人口の一人です。

牧:僕らが思っている以上に関わりたいが、どう関わればいいかわかりにくい現状、また受け入れ側も忙しい中での対応ともなるとその後の関係を繋ぐことがなかなか出来ず良い関係人口を育む入り口、仕組みがなかったと思います。
アプリを通じて、外から村に関わりやすく、村の中から外の方々と関わりやすくなっていければと思っています。

 

牧:西粟倉は、合併しないと宣言してから村民と外から新しい村民を迎えて村作りをしてきと思います。そして今は住人未満の人たちも一緒に村作りをしようとしている、新しいフェーズに入っています。

谷内:僕も村に関わることは不思議な感覚を持っています。
今新宿区に住んでいるけど、新宿区のまちづくりに関われるという実感はないのが正直なところです。
でも西粟倉には関われる感じがしているんです。

牧:新宿区は何十万人と居て、西粟倉は今人口1,400人。この規模感だからこそ、手触り感のある村づくりが出来るとも思います。

 

-最後に一言ずつお願いします。
谷内:“みんなで作る”をこれからどう構築していくか、ここは挑戦です。
例えば、村に行ってみたいが宿泊施設が不足気味なら、泊まれるスペースを作ってくれるとか。
色んな「ちょっと協力してもらえたら」が更に良いアプリに繋がっていくと思うので、そういった声と、その声への返事を繋ぐことを丁寧に積み重ねたいと思います。

牧:アプリ村民と一緒につくっていくアプリだと思っています。
皆さんに参加いただくことで進化していくアプリなんだという前提をおきながらまずご参加いただきたいです。

 

最後に画面上でハイタッチしていただきました

-ありがとうございました。
いろいろな可能性や狙いを聞くことが出来、今後のアプリの成長過程が楽しみになりました。
私自身も関わる一人になっていきたいです。

是非皆さんもダウンロードして関わる一人となってください!

ダウンロードはランディングページか、スマートフォンアプリのダウンロードサイトから「西粟倉 アプリ村民票」と検索する、もしくは以下のQRコードからダウンロードしてください。

 

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